クラウンは無理をして若返る必要はない・・!?

トヨタ クラウン
クラウンの歴史は、テリー伊藤さんの人生とかなりリンクしているようです。
数々のエピソードと、愛ある辛口メッセージをいただきました。

クルマ好きだったオヤジがクラウンを6大乗り継いだ

実は伊藤家には古くからずっとクラウンがあった。オヤジがクラウンが好きで、2代目から7代目まで6大も乗り継いだんだ。
たいして乗りもしないのに、車検のたびに買い替えていたほどだよ。
 
ウチは築地の長屋暮らしで、子だくさん。みんな狭いところで寝ていたんだけど、なんでこんなに車を買うのかと子どもながらに思ったもんだよ。
オフクロも怒っていたよね。
 
それだけクラウンを乗り継ぐお金があったら、当時は浦安や世田谷あたりなら十分に家が買えたし、近所でもいい土地がでてきたりしたのに、住まいを買わずにクラウンを買っていたんだよ。どうしようもないオヤジだよね。
 
印象に残っているのは「李おいクラウン(3代目)」と次の「クジラクラウン(4代目)」あたりかな。
大学生の頃に白いクラウンがあったんだけど、それはもう遅くてね。クーラーが付くようになった時代だけど、つけたとたんにスピードが出なくなる。
軽井沢に行って碓氷峠で、あまりに走らないからクーラーを切るしかなかったもんだよ。
 
クジラはクーペで、僕としてはカッコイイと思っていたのに世の中では不評で売れなかったんだよね。今見てもイイ味だしていると思うよ。
ピンクっぽい派ではボディカラーもあったりして、実は当時すでにクラウンは奇抜なことにチャレンジしていたんだよね。
 
クラウンといえば僕らの世代にとっては、やっぱり「いつかはクラウン」のイメージが強い。
あれは経済成長を経た当時の日本人の心に刺さる、名キャッチコピーだと思うよ。山村聰さんのCMもよかった。

若返りを図った新型だがユーザーとの温度差も

ゼロクラウン(12代目)以降はだいぶキャラが変わって、スポーティーさを強調するようになったし、14代目のクラウンでは、イナズマ型のグリルが話題になったよね。
「ピンククラウン」のインテリアのカラーコーディネートは僕がやったんだよ。当時はウチにも1台あって、1年あまり乗ったかな。
そんな感じで、実はクラウンとは、なにかと縁があるんだよね。
 
クラウンオーナーの平均年齢が、ちょうど僕と同世代らしくて、トヨタとしては若返りを図りたいようだけど、それは難しいんじゃないかな。
価格帯もずいぶん上がったことだし、セダンが好きでクルマに500~600万円使える若い人は、やっぱり普通はBMWベンツアウディに行くと思うよ。
 
僕らの頃は、「いつかはクラウン」だったけど、今はレクサスもあるし、若作りするならレクサスじゃないと、お客さんはついてこない。
クラウンが無理して若返る必要はないと思うよ。
 
新型はニュルを走り込んで性能を鍛えたそうだけど、そこが難しいところで、いいトシこいたオッチャンがボディビルとか日サロに行くような、そこまでしなくていいよという気もするんだよね。けっして悪いことではないけれど、クラウンがやってることと、ユーザーとの温度差を感じる。
章男社長はすごく走りを大事にする人だから、そうしたんだろうけどね。
 
ただ、一貫して日本に合うものをユーザーに提供しているのはクラウンのよいところ。新型も1800mmの全幅を守り通したところは偉いと思うよ。
 
反面、デザインは日本をひきづりすぎていて、どうしても地味に見える。たとえば初代セルシオが出た時に、あくまでも日本的でありながら、ものすごく新鮮に見えたじゃない?
 
あるいはトヨタエスティマのように斬新なミニバンを生み出した実績もあるわけだし、あの雰囲気を持った高級セダンとかね。
それを出せるのもトヨタしかいないと思うよ。
 
もっというと、ドイツだったらこのクラスはみんなクーペやオープンがあるし、アウディのオールロードクワトロみたいなクルマもあるわけじゃない?
今回の新型はけっこうがんばってるけど、クラウンにももっと柔軟な発想があってもいいだろうね。

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