唯一無二の独自の世界観孤高のロングセラー

三菱 デリカ
ミニバンでありながらSUVのような独特な存在感を持つ三菱デリカ
道を選ばない走破性、多人数乗車と充実した積載能力……自身もユーザーであるというテリーさんに、その魅力を聞きました。

新型D :5のデザイナーはすごく才能があると思う

デリカ」と聞いて思い出すのは、80年代のスターワゴンだよね。白いガードバーの付いたツートーンのやつ。まだミニバンやSUVという言葉がなかった時代に、ワンボックスをオフローダーっぽく仕立てたルックスは、当時やけに存在感があったよね。
そんな他のクルマにはない独特の世界観は、今のD :5にもしっかり受け継がれていて、根強い人気がある。なにせ去年だって、出たばかりの新型車のエクリプスクロスよりも売れてたんだからね。登場して11年もたったクルマなのに、たいしたものだと思うよ。
 実は僕もD :5を日常の足にしているんだ。アクティブギアなんだけど、今じゃプレミアがついて中古車の相場が上がっているからビックリだよね。
 D :5を選んだのは、大きさがちょうどよくて、どこへでも行けるクルマだから。軽井沢と東京を行き来するにも、スタッドレスさえ付けていれば雪が降ってもぜんぜん問題ない。他にはないディーゼルにも惹かれたよね。
 もちろん新型のことも気になってるよ。このデザインについて、関西方面では評判がよくて、関東では「デリカ、お前もか」という感じの声が多かったみたいだけど、僕はひとめみて「デザイン性が高い!」と直感したよ。
これはイカツイとか怖いといった、例のトヨタのミニバンとはぜんぜん意味が違う。なんといっても縦目がイイ! 世界的にもあまりないし、グリルの直線的なラインと上手くまとまっている。これをデザインした人は、ものすごく才能のある人だと思うよ。
 ただし、だからといって代官山の蔦屋や武蔵小杉の奥さまには似合わない。デリカだからそれでいいというのもわかるけど、たとえばボルボの新しいXC40は、SUVらしさもあるうえ、さらに代官山や武蔵小杉でも絵になるじゃない?
 そこだよ。せっかくよくできたデザインなんだから、代官山や武蔵小杉に似合う顔もあってもいいと思う。ぜひD:5にも目指して欲しいよね。
 2種類ある中で、僕は標準モデルのほうが好き。でも、4枚歯の電気シェーバーみたいだといわれているフロントグリルは、アーバンギアのようにシンプルにしたいかな。

12年分の進化を実感させる快適な乗り心地と静粛性

 インテリアも、ここまで必要なのかという気もするけど、ずいぶん豪華になったもんだ。奥さま対策にはこれが効くんだろうけど、前の武骨な雰囲気もD :5には合っていたよね。
 とくにアーバンギアは内装が暗いし、カタログも夜景だったりと、水商売っぽいイメージもある。正直、「アーバン」というのは実はイヤな言葉だったりするんだけどね(笑)
 ところで、大阪オートメッセで展示されたD:5がイエローなのは、実は僕が三菱のデザイナーに提案したんだ。D :5にはイエローが似合うと思ってね。実際に売られるかどうかはわからないけど、よかったでしょ?
 いざ走ってみると、さすがは12年分の進化をしているのは明らか。乗り心地は快適だし、とにかく静かになった。我が家は坂の途中にあって、週に2回ほど仕事で朝早く出かけるときがあるんだけど、ご近所さんからテリーさんが通るといつもすぐわかるっていわれたんだ。
ああ、やっぱり迷惑かけているのかなと思って。でも新型なら大丈夫だよね。
 冬には北海道で雪の上を走る機会もあったんだけど、本当にどんな場所も走っていける感じだった。パリ・ダカで世界を制した増岡選手の横にも乗せてもらったんだけど、それはもうすごいのなんの。
こんな走り方もできるんだと感心したよ。実はちょっと失敗して雪壁につっこんだときもあったけどね(笑)。とにかく、これほど雪山を走れるワンボックスなんて絶対に他にない。
 新型D :5も買うのかって?
 そうだね、そのうち僕が好きなアクティブギアが出るだろうから、ひとまずそれを待つことにしよう。
 三菱はここ数年いろいろあったけど、ユーザーの信頼を回復するには、とにかく誰もが認めるいいクルマをつくり続けること。そこにつきると思うよ。新型D :5のようなね。

1968年 初代(右上)
当初は競合勢より100kg大きい600kg積のキャブオーバートラックを発売、翌年バンとクラス最大の9人乗りコーチを追加。58psの1.1Lエンジンを搭載し、最高速度115㎞ /h。東京五輪の4年後、大阪万博前夜、高度経済成長真っ盛りの時代だった。

1979年 2代目(左上)
9人乗りワゴンがスターワゴンの名称に。完全フラットになる後席など利便性も向上。クラス初の5速MTを採用。後年にはディーゼルや4WD車も追加され選択肢が豊富に。

1986年 3代目(右下)
モノコックボディ採用。4WD車にガードバーやステップのほか、ワンボックス4WD車初の15インチワイドタイヤを装備。パーソナル回転シートやクリスタルライトルーフを設定。

1994年 4代目(左下)
スペースギアと命名。フロントエンジン化やスーパーセレクト4WD等の採用により新安全基準への適合を図るとともに悪路走破性を向上。全44種類の多彩なグレード展開も特徴。

2007年 5代目(右)
新世代の前輪駆動プラットフォームや環状骨格構造リブボーンフレームを採用。一時は2WD車やエアロモデル「ローデスト」も設定されていた。12年にミニバン初のディーゼルを追加。

2019年 新型(左)
5代目をベースに「ダイナミックシールド」の採用をはじめ内外装を一新。先進安全運転支援システムの充実を図り、エンジンや4WDシステムなど主要機構も大幅に改良された。

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