やっとたどり着いたハッチバックの完成形

MAZDA3

マツダが自信を持って激戦のCセグメントに投入したMAZDA3が、2019-2020日本カー・オブ・ザ・イヤーで2位を獲得。
いつもは辛口のテリーさんも賛辞を惜しみません。

日常のどんなシーンにもマッチするかっこよさ

 日本カー・オブ・ザ・イヤーで堂々2位ですからね。そりゃあ完成度は高いですよ。私も選考委員をやらせてもらって、持ち点25点のうち、ジープラングラーの10点に次ぐ5点をMAZDA3に投じました。
 私の趣味は、個性が強くて、見るだけでワクワクする車。そういう意味ではMAZDA3はちょっと弱いんだよね。だって普通にかっこいいじゃない。万人に受け入れられるデザインだよね。良くも悪くも無難で都会的。だけどさ、それでいて特別感もあるでしょ。そこはもう、認めざるを得ない。
 最近の車って、服で例えるとみんなイージーパンツみたいでしょ。コンビニやファミレスに行くにはなんの問題もないけど、何かの記念日のディナーにフレンチレストランに行くにはちょっと、みたいな車ばっかり。そんな時代に、普段遣いもできるんだけど、いざって時にはプラダやグッチの服を着て乗れる車をつくったマツダは意識が高いよね。

マツダが考えるハッチバックの到達点

 具体的に言うと、まずはこのエクステリアデザイン。ここ数年マツダが目指していたデザインの、一つの完成形なんじゃないかな。レクサス で言ったら、あのスピンドルグリルのデザインが最新のLCで極まったみたいなね。「ああ、マツダはここを目指してたんだ」って、誰もが納得できるほど完成度が高いですよ。
 ただし、マツダがファストバックって言っているハッチバックモデルに限るけどね。セダンモデルは興味ないな。MAZDA3って要はアクセラじゃないですか。正直、歴代のアクセラには全く興味がなかった。マツダが迷走していた時代の象徴のような気がするね。
 ロードスター とかRX-7 とか、めちゃくちゃ個性的でかっこいい車をつくっていたのに、その一方でメーカーとして何がしたいのか、どんな車をつくりたいのかさっぱりわからなかった。その代表がアクセラだった気がするな。ただ、さらにさかのぼるとアクセラの源流はファミリアにあるわけですよ。ファミリアはもう神! 映画『幸福の黄色いハンカチ』で武田鉄矢が乗っていた赤いハッチバックの車を覚えていますか? あれがファミリアです。
 当時は国産車でハッチバックってほぼ皆無だったはず。ゴルフでみんなハッチバックのかっこよさに気がついてはいたんだけど、ゴルフ はとても買えない。そんな若者に、デートカーとして大人気だったんだよね。そこからマツダのデザイナーたちが連綿と受け継いできた想いが、バブル後に迷走していた時代を経て、今やっとMAZDA3で結実した感じがするね。
 インテリアだって、めちゃくちゃ洗練されてます。無駄を徹底的に排除して、全体的にツルッとした印象を与えている。トヨタライズ みたいに、高級感は最初っから諦めて、コストダウンに思いっきり舵を切ったインテリアもあります。あれはあれで意味があるし、今はあっちのほうが主流。だけど、そんな時代にあって、このサイズの車のインテリアにこれだけの高級感をもたせたマツダデザイナー陣には拍手を送りたいね。

これからの進化を見守っていきたい

 いやあ、しかしまさかマツダの車が〝洗練〞とか〝都会的〞なんてワードで語られる日が来るなんてね。一昔前はさ、下取りが悪いからマツダから抜け出せない〝マツダ地獄〞なんて言葉があったし、ルーチェ なんて〝広島ベンツ〞って言われてたんだから。
 長くマツダに勤めている人は、この時代のコンプレックスがあるんじゃないかな。だからこそ、都会的な車を目指すようになった。今じゃ、国産のどのメーカーよりマツダが若い女性層に支持されてますからね。MAZDA3なんて、港区とか品川区の高層マンションに住んでいる女性にドンピシャで似合うじゃない。
 ここから先、5年10年経ったときに、またマツダがどうなっているか楽しみだね。やっと得た〝洗練〞や〝都会的〞という評価やイメージをどう進化させていくんだろう。マツダらしさとして定着していくのか、在りし日の栄光として語られることになってしまうのか。しっかり見届けたいね。

 

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歴代MAZDA3アクセラ)をご紹介 MAZDA3の変遷

◆2003年 初代

ファミリアに代わる世界戦略車として、国内ではアクセラ(国外ではMazda3)へと名前を変更。ボディサイズを拡大し、あらゆる面で実力を引き上げて開発された。 2004年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーで日本車では最高位の2位に選出された。

初代アクセラセダン
初代アクセラセダン

初代アクセラスポーツ
初代アクセラスポーツ

◆2009年 2代目

初代に比べてアッパーグリルの無い新しいフロントフェイスは、マツダブランドの強い個性を感じさせた。11年9月のマイナーチェンジで、パワートレーンに「スカイアクティブ」テクノロジーが盛り込まれた。

2代目アクセラセダン
2代目アクセラセダン

2代目アクセラスポーツ
2代目アクセラスポーツ

◆2013年 3代目

現在にもつながるデザインテーマ「魂動」を採用し、ダイナミックで生命感ある動きが表現された。「スカイアクティブ」技術に加え、先進安全技術「i-ACTIVSENSE」やカーコネクティビティシステム「マツダ コネクト」を搭載した。

3代目アクセラセダン
3代目アクセラセダン

3代目アクセラスポーツ
3代目アクセラスポーツ

◆2019年

このモデルから国内でもMAZDA3というグローバルネームに。スポーツハッチバックは「ファストバック」とし、「セダン」との2タイプ構成でアクセラのラインアップを踏襲している。究極の内燃機関ともいわれる「SKYACTIV-X」搭載車も話題。

MAZDA3セダン
MAZDA3セダン

MAZDA3ファストバック
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