エンスーの永遠の憧れ イタリアンレッドの誘惑

アルファロメオ

アルファロメオは創業110周年を迎えました。
数々の名車を世に送り出してきた名門は、テリーさんの目にはどう映っているのか。
アルファ愛車遍歴もあわせて伺いました。

車好きのツボを知り尽くしたデザイン

 なんでしょうね、イタリア車っていう言葉に含まれる甘美な響きは。車好きだったら、誰でも一度は乗ってみたいって思うんじゃないかな。コンパクトカーからスーパーカーまで、一貫しているデザインへのこだわ り。20代の頃には随分と憧れましたよ。
 僕が若いときはカローラが全盛で、若者の憧れはブルーバードみたいな時代。そんな時にフェラーリやランボルギーニなんて、まったく現実感がない車だったわけ。誰も実車を見たことすらないわけで、まるで他の星の車みたいだったよね。
  その頃に、ほんのちょっと現実感があったイタリア車がアルファロメオなんです。映画『卒業』で、ダスティン・ホフマンがスパイダーにさっそうと乗っている姿に憧れたなぁ。もちろん、国産車に比べれば非常に高価で、当時の僕にとっては高根の花。でも、憧れだけはずっと抱いていて、40歳の時に20年落ちのスパイダーを170〜180万円で手に入れました。
 完璧にレストアされていたわけじゃなくて、環八沿いの中古車屋で雨ざらしになっていた車体。真っ赤なイタリアンレッドが印象的でね。あの、独特なテールランプのデザインに心を奪われちゃったんです。そんな状態だったから、トラブルも多かったですよ。出かけるたびに、いつ止まるんじゃないかとヒヤヒヤしてましたね。
 それともう1台。イギリスに旅行した時に、偶然訪れた中古車屋で、クーペモデルのレース仕様、右ハンドルのGTAmに一目ぼれして日本にまで運んじゃったこともあります。
 どちらもトラブルが多くて、結局は2年くらいで手放しちゃったんだけど後悔はしていません。当時は「アルファロメオを所有している」っていう喜びでいっぱいでしたね。

大事に長く乗るには頼りになる店探しが大切

 やっぱり60年代から70年代のアルファのデザインは図抜けてますよ。流麗なジュリア、セクシーなスパイダー、一見するとブサイクなんだけどたまらない魅力があるジュリア・スーパーと個性もいろいろでした。
 一方、80年代は暗黒時代と言えるんじゃないでしょうか。どの車種も没個性で、アルファらしさが感じられなかった。SZっていう異端車があったけど、あれは一発狙いの大振りだったよね。当たればホームランだけど、三振でも仕方ないっていうね。往年のアルファの魂を復活させるような存在ではなかった。
 それが好転し始めたのは、やっぱりフィアット傘下に入ったからだよね。97年に発売されたAlfa156が転機になりました。それ以降はミトとかブレラとか、ドキッとさせられるデザインの車が次々に生まれてきたよね。ミトが発売されたときはショックでしたね。こんなにかわいいコンパクトカーがあるのか!と、すごい衝撃を受けたもんです。
 アルファに限らず、イタリア車ってコンパクトカーがすごく魅力的ですよね。思うに、第二次世界大戦で負けて、本格的に車が開発されだした時代ってイタリアはすごく貧しい国だったんですよね。一般家庭で車を所 有できるようになったって、買えるのは当然1台だけ。買い物もデートも旅行も、全部その車で済ますわけ。しかもイタリアは道もすごく狭いでしょ。小さいけど家族5人と荷物を積んで、どこまでも元気に走れる車が求められたわけです。
 そうした背景から生まれたのがフィアット500であり、パンダだったってこと。ただ、そこはイタリア人。コンパクトカーだからデザインなんてどうでもいいや、とはならないんです。全身全霊を込めてデザインしちゃう。デザインへの焦熱は、スーパーカーでもコンパクトカーでも変わらない。
 アルファは、それに加えて、ドライビングフィールへのこだわりも半端じゃない。4Cスパイダーなんて、まんまレーシングカーですからね。こんな車を市販しちゃうなんて普通じゃありませんよ。
 それと、アルファはできたら長く乗るのがかっこいい。クラウンに10年乗っててもなんとも思われないけど、ジュリアに10年乗ってますって言うと、なんだかこだわりがあって思慮深そうな人って、相手が勝手に思っ てくれます。2000年代以降のアルファなら、それほどひどいトラブルに見舞われることはないと思うけど、それでも国産車に比べれば少し手がかかるかもしれない。中古車を買うときは、専門知識を持った店を選んだ方がいいでしょうね。

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テリー伊藤さんの気になるアルファロメオをご紹介

◆1966年~ 1600SPIDER“DUETTO” 


1967年、ダスティン・ホフマン主演の映画「卒業」に登場した、小さな赤いアルファロメオ、1600スパイダー“デュエット”。その時代に青春を謳歌した世代にとって、まるで名脇役のように今も記憶されている。


◆1997年~ Alfa156


フィアット傘下に入り、この「Alfa156が転機になった」とテリーさんは言う。伝統に立脚した鮮烈なスタイルと高性能が、1998年度のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを、初めてアルファロメオにもたらした。


◆2005年~ Brera ブレラ


ジョルジェット・ジウジアーロのデザイン。大きな盾型のグリルが最初に採用されたモデルでもあり、その後多くの車種で同様のグリルが採用された。


◆2008年~ Mito ミト


日本では2009年発売。車名の由来はミラノ(Milano)でデザインされ、トリノ(Torino)で生産されることから、それぞれの頭文字を取った。

◆現行車種
GIULIA ジュリア

STELVIO ステルヴィオ

GIULIETTA ジュリエッタ

◆FIAT Panda

「イタリア車はアルファに限らず、コンパクトカーでもデザインは秀逸」とテリーさん。開発を担当したのは、ジョルジェット・ジウジアーロ率いるイタリアのカロッツェリア・イタルデザイン。初代モデルは1980年から2003年まで、大きな変更をすることなく継続された。

アルファロメオ創立110周年記念 ALFA ROMEO総選挙!

2020年6月24日、アルファロメオ創立110周年記念のオンラインイベントで、日本のファンが、NO.1モデルを選ぶ総選挙の結果が発表された。

順位 車名
1Alfa 156
2Alfa 155
3Tipo33/2 Stradale
44C/4C Spider
5Giulietta
6Giulia
7Alfa 147
8Giulia Sprint GTA/GTAm
9SZ/RZ
10Brera/Spider

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