スバリスタが誇る 2020年の国産車の顔

SUBARU レヴォーグ

大型化したレガシィのダウンサイジング版として、
2014年に登場したレヴォーグが、2020年にフルモデルチェンジ。
スバル車として4年ぶり3度目となる日本カー・オブ・ザ・イヤー戴冠車の、
魅力と弱点をテリー伊藤さんが分析する。

非の打ちどころがない優等生ならではの苦悩

2020 -2021年の日本カー・オブ・ザ・イヤーが、スバルレヴォーグに決定しましたね。僕自身も1位こそランドローバーのディフェンダーを選びましたが、2位はレヴォーグに1票を投じました。
 その差は微々たるもので、ディフェンダーのほうが、購入後の生活をより具体的に想像できたというだけ。衝突安全基準とか、自動運転にまつわる先進技術とか、そんな要素だけで車を評価しようとする人もいるけど、それってつまらなくない?それよりも、その車を買うことで、どれだけ楽しい暮らしが待っているかをイメージさせてくれるかのほうが、僕にとっては重要なんです。
 レヴォーグだったら、週末に軽井沢までドライブして、高原を気持ちよく走って、しゃれたレストランで食事して、なんて生活が想像できるじゃないですか。ちょっと荒れた道だってへっちゃら。高速だろうが、峠道だろうが、悪路だろうが、気持ちよく走れますよ。
 新しいレヴォーグはインテリアにもワクワクさせられます。大型のセンターディスプレーをドンと配したコックピットは近未来的で素晴らしい。先進のドライブアシストだって、ものすごく進化している。
 とにかくね、欠点らしい欠点なんてない車なんです。さんざん試乗させてもらいましたけど、ネガティブな部分はまったくなかったな。100点満点の車って言っちゃっていいんじゃないでしょうか。
 強いて言えば、その優等生ぶりが欠点といえば欠点。例えばね、北川景子とか石原さとみとか、戸田恵梨香とか、誰もが美人と認める女優が、外苑前の銀杏並木に駐車したレヴォーグから降りてくるシーンって想像し づらいですよね。高級車じゃないからって理由じゃないんですよ。大衆車だって、ミニとかビートルだったら想像できるでしょ? 際立った個性を持っていて、それが普遍的な価値となっている車だったら、大女優のオーラだって受け止められちゃうんだけど、残念がらレヴォーグにはそれがない。
 いや、もちろんレヴォーグ、というかスバルには熱狂的かつ絶対的なファンが多くいるんですよ。ただ、そういう人たちは40〜50代以上の男性が圧倒的大多数。水平対向エンジンのフィーリングであったり、中島飛行機を前身とする歴史といった部分に価値を見いだしている人たちですよね。女子にとっては、そんなのどうでもいいことなんです。
 スバルの開発者やデザイナーは、大きなジレンマを抱えていると思います。新たな女性ユーザーも獲得したい、だけど女性に迎合したような車を作れば、古くからのファンから失望の声が聞こえてくるのは目に見えている。「ブルータス、おまえもか」ってなもんですよ。

唯我独尊な姿勢がスバル信者を満足させる

 思えば、スバルは昔からメカ好きの男ゴコロをくすぐるのが上手なメーカーだったよね。僕が若い頃は、コロナとサニーが若者にとって絶対的な憧れだったわけ。そこにさっそうと登場したのがスバル1000ですよ。車といえばFRが当たり前だったのに、FF方式を採用したのは衝撃的でした。しかも、エンジンはポルシェと同じ水平対向。なんて先進的な車なんだと、興奮したのを覚えています。
 実際にスバル車を所有していたこともありますよ。一番印象に残っているのは、スバル360ヤングSSです。ただしこれ、あくまでもヤングSS風ですけどね。ボンネットにストライプのペインティングをして、ヘッドライトカバーをかぶせただけで、中身は普通のスバル360。小さくてキビキビ走る、いい車だったなぁ。
 あと、アルシオーネSVXも本気で探した時期がありましたね。ジウジアーロが手掛けたデザインは秀逸でした。水平対向6気筒エンジンで、電子制御の可変トルク配分タイプのフルタイム4WDという、当時では最 先端のメカニズムでした。結局、いい中古車がなくて断念しましたけど、機会があれば手に入れてみたい車のひとつです。
 きっと、そのうちレガシィでいうところのアウトバック、レヴォーグのクロスオーバーSUVが発表されるでしょう。そこで、どんな方向性を見せてくれるのか楽しみですね。ジャンル的にも、既存のスバルファンを メインターゲットにするのは当然なんですが、そこに若い女性を引きつけるような仕掛けを施してくるのか、どうなのか。お手並み拝見といきましょう。

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歴代レヴォーグをご紹介 LEVORGの変遷

◆2014年~ 初代 


大型化したレガシィに代わる、日本市場専用のステーションワゴンとして登場。国内の交通環境で取り回しやすいボディサイズで、スバルのGTツーリングコンセプトを具現化した新ブランドとしてデビュー。

◆2016年~ STI Sport EyeSight


スバルテクニカルインターナショナル(STI)とのコラボによる最高級グレードとして設定。専用チューニングを施したサスペンションを採用。ボディカラーは専用色「WRブルー・パール」を加え全8色。

◆2017年~ 大幅改良モデル


フロントグリル、バンパー、LEDヘッドランプなどのデザインを刷新。全車速域でアクセル・ブレーキ・ステアリングの操作をサポートする新機能「アイサイト・ツーリングアシスト」を初搭載。

◆2019年~ 1.6GT EyeSight V-SPORT


1.6GT EyeSighをベースとした特別仕様車。アイサイトセイフティプラスである先進予防安全装備や、その他の上級装備を標準装備。タイヤ・アルミホイールは18インチにサイズアップ。

◆2020年~ 2.0GT EyeSight V-SPORT


2.0GT-S Eyesightをベースとした特別仕様車。18インチアルミホイールやリヤオーナメント、ドアミラーをブラックカラーでコーディネート。足回りはベース車同様、ビルシュタイン製ダンパーを採用。

◆2020年~ 2代目


ベースグレードから広角化した新型ステレオカメラや前側方レーダー、電動ブレーキブースターを標準装備。EXグレードに設定されている新たな高度運転支援システム「アイサイトX」も話題。

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