まるも亜希子の新車まるかじりトーク「トヨタ パッソ」

【今回の車両】
<トヨタ・パッソ>
●全長3650~3660/全幅1665/全高1525mm
●乗車定員5名
●燃費28.0km/L(JC08モード)
●1.0L直3/CVT
●価格1,150,200~1,830,600
●エコカー減税/75%(2WD)/50%(4WD)
ダイハツのお家芸が随所に見られる
トヨタにとってはコスパに優れるエントリーモデル、ダイハツにとっては軽自動車からのステップアップモデル。そんな異なる役割を持つコンパクトカー、トヨタ・パッソ/ダイハツ・ブーンがフルモデルチェンジしました。これまでのキュートでカジュアルなキャラから大変身して、大人な雰囲気になったなぁというのが第一印象。とくに、通常のデザインに加えてパッソ モーダ、ブーン シルクという上質感を高めたデザインが、“2つ目の顔”として用意されたのが特徴です。こちらにはブラックルーフのツートーンカラーもあり、カラーバリエーションは全部で19パターンにもなるとか。コンパクトカーは近年、軽自動車人気に押されてハイブリッド以外は低迷していたところだったので、「軽ではなくあえてコンパクトを選ぶ価値」が重視されたのだと思います。

全長を先代同等の3650~3660mmに抑えたボディは、空力性能を少々犠牲にしてまでボンネットを高めにし、水平基調のフロントまわりを採用。これは、視界の良さや車両感覚の掴みやすさなどを考慮したもので、確かに運転席に座ると周囲がとても良く見え、自然とリラックスして運転できます。また、ホイールベースを2490mmと長くとって、前後乗員間距離が先代比75mm増の940mmに。後席に座ってみると、全高を1525mmに抑えているので頭上はややタイトなものの、足を組んで座っても余裕の広々空間となっています。

さらにダイハツのお家芸でもある、約90度までガバッと開くドアのおかげで、とても広い開口部となって乗り降りが驚くほどスムーズ。これなら高齢の方でも、チャイルドシートを着けても使いやすいので、幅広いユーザーにオススメできると感じました。

パワートレーンは69ps/92Nmの1.0L直3エンジン+CVTのみの設定。でも走らせてみると、従来の1.3Lよりも軽快感、上質感がアップしていて、とても気持ちよく運転できます。交差点やカーブでの安定感もあり、軽量高剛性ボディやCVTの制御に加え、頭部のふらつき低減や、振動をいかに素早く収束するかにこだわったチューニングなどの効果がしっかり感じられます。高速道路ではやや騒音が大きめですが、先進安全技術のスマートアシストⅡも設定され、街中から遠出までカバーしてくれる、中身も大人のコンパクトカーになっています。
※掲載している情報・画像は、2016年5月25日時点の情報です。>
まるも亜希子の「新車まるかじりトーク」とは?
カーライフ・ジャーナリストまるも亜希子氏が、新車を紹介していくコーナーです。
毎回、まるも亜希子氏が新車をご紹介してくれるので、楽しみながらご覧ください。

まるも亜希子
カーライフ・ジャーナリスト。雑誌・ウェブ・ラジオ・トークショー等に出演・寄稿する他、安全&エコドライブのインストラクターも務める。
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2006年~2015年)
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
女性パワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト」代表。